看護実習を控えた皆さん、こんにちは。教員歴15年、元師長で、今はキャリコンとして多くの看護師の悩みを聞いているhiroです。
実習の準備って、単にカバンに物を詰め込む作業じゃないんです。それは「明日、出会う患者さんの命を預かる準備」そのもの。「そんな大げさな…」と思うかもしれませんね。でも、15年間学生を見てきて確信していることがあります。
それは、カバンの中身が整っている学生は、実習中の思考も整っているということ。逆に、ポケットの中がぐちゃぐちゃな学生は、高確率で記録もパニックになり、現場でインシデントを起こしかけます。MacBookを閉じてカバンを詰めるその前に、このリストで最終チェックをしましょう。
今回は、巷のまとめサイトにあるような「綺麗なリスト」ではなく、現場の指導者(臨床指導者)を納得させ、実習を安全に乗り切るための超・実践的な持ち物論を語り尽くします。プロの卵として「本当に買うべきおすすめの看護用品」も厳選して紹介するので、お守り代わりに揃えてみてくださいね。
【三種の神器】あなたの「看護観」は、この3つに現れる
まずは、絶対に妥協してはいけない「看護師の武器」から。ここを適当に選ぶ学生を、私は教員として、招き入れる側の元師長として「あ、この子はまだ『お手伝い』のつもりだな」と判断します。命を預かるプロとして、正しい道具を選びましょう。
1.ナースウォッチ:なぜ「秒針」があなたの信頼を決めるのか
腕時計がダメな理由は、感染管理だけじゃありません。手首に物があると、患者さんの体位変換をする時に、あなたの時計が患者さんの薄い皮膚をガリッと傷つけてしまう可能性があるからです。
- アナログ(秒針)にこだわる理由: 脈拍や呼吸を測る時、デジタル数字を追うのと、針の「動き」を視野の端で捉えるのでは、集中力が全く違います。針の動きを感じながら、患者さんの拍動に意識を向ける。これが「アセスメント」の第一歩です。
- 教員のホンネ: 15秒測って4倍にする…なんて手抜きはやめてください。特に心疾患がある患者さんの場合、1分間しっかり測る中で「リズムの乱れ」や「緊張感」を感じ取ること。その「1分間の誠実さ」を、指導者は後ろからじっと見ています。文字盤が大きく、クリップ型で胸元やポケットに留められるリール式のアナログ時計が現場では最強です。
hiro教員が厳選:現場で絶対に見やすい最強ナースウォッチ
脈拍計測用の簡易脈拍計(パルスメーター)の目盛りがついており、文字盤が蓄光タイプで夜間でもクッキリ見えるリール式の時計がベストです。これを持っていれば、指導者さんから『道具選びのセンスが良いね』と一目置かれますよ。
2.看護師用ハサミ:それは「凶器」にも「救い」にもなる
事務用の100均ハサミをポケットに入れている学生を見ると、私はゾッとします。
- 刃先のガードは「優しさ」の証: 看護用ハサミは、刃先がプラスチックなどで丸くガードされています。これは、包帯やテープを切る時に患者さんの肌を絶対に傷つけないという「誓い」の形です。
- リールストラップの義務化: 現場は戦場です。ハサミをベッドに置き忘れたらどうなるか?それがリネンに紛れ込み、次の患者さんの背中に刺さったら?「失くしました」では済まされない世界だからこそ、身体と道具をストラップで繋いでおく必要があるのです。
hiro教員が厳選:患者さんを傷つけないフッ素加工ナースハサミ
テープの糊がつきにくい「フッ素加工」が施されており、伸びるリールストラップが最初からセットになっているハサミを選んでください。刃先が完全にガードされているため、ベッドサイドでも安全・迅速に動けます。
3.3色ボールペンと「マッキー」:情報の仕分けは頭の仕分け
記録は黒、教員の指摘は赤、自分の疑問は青。現場で「あ、これ調べなきゃ」と思ったことを青で書く。そうすると、夜に記録を書く時に「自分が何を学ぼうとしたか」が浮き彫りになります。
油性マジック(マッキー極細)を1本、常にすぐ出せる場所に持っておくことも重要です。点滴のボトルに交換時間を書く、テープに日付を書く。この「一手間」をサボる看護師は、いつか必ずミスをします。マジックを持っておくこと。それが「安全を守る」という姿勢です。
【裏技】100均グッズで「実習のQOL」を爆上げする工夫
100均で揃える「現場の知恵」3選
- 二つ折りバインダー(A4): 患者さんのフルネームが書かれたアセスメントシートをむき出しで歩く学生が多すぎます。それは「個人情報の漏洩」です。カバー付きのバインダーを使い、見ない時は必ず閉じる。これがプロの流儀です。
- 印鑑ホルダー: シャチハタをキャップ付きで使っていませんか?キャップを落としてベッドの下に潜り込み、探し回る時間の無駄。ワンタッチ式に変えるだけで、あなたの行動はもっとスマートになります。
- クリアケース(メモ帳カバー): ナース服のポケットは、あなたの「戦場」です。汗や消毒液で、一生懸命書いたメモがボロボロになる。それを防ぐために、100均のケースで補強しましょう。
【喝!】持ち物チェックの前に「自分」をチェックしているか?
どれだけ完璧な道具を持っていても、身だしなみが汚い学生を、私は患者さんの枕元へは行かせません。なぜなら、「不潔な格好」は、それだけで患者さんへの攻撃だからです。
元師長が教える「朝の5秒」の審査基準
私が師長時代、ナースステーションに来た学生のここを瞬時に見ていました。
- 爪の白い部分、見えてない?: 0.1mmでも伸びていたら、それは凶器です。高齢者の肌は和紙のように弱いです。あなたの爪一枚が、患者さんの皮膚を剥がし、一生残る傷を作るかもしれない。その恐怖を忘れないでください。
- お辞儀をした時に髪が落ちてこないか: 髪を触る手は「不潔」です。そのまま清潔介助に入ろうとしたら、私は即座に実習を止めます。髪をガチガチに固めるのは、オシャレを捨てているのではなく、安全を守るためです。
- ナースシューズの「白さ」: 「忙しいから汚れても仕方ない」は言い訳です。足元が汚い学生は、大抵、環境整備(ベッド周りの掃除)も雑です。一流の看護師は、まず自分の足元を清めます。動きやすく疲れにくいナース専用の真っ白なシューズを選ましょう。
hiro教員が推薦:長時間の立ち仕事でも疲れない高機能ナースシューズ
実習は1日中立ちっぱなし、歩きっぱなしです。安物のペラペラな靴だと、夕方には足の裏や腰が痛くなって記録どころではなくなります。クッション性が高く、脱ぎ履きが楽な静音タイプのナースシューズを1足用意しておくのが、隠れた実習成功のコツです。
【教員の秘密兵器】ポケットの中の「自分専用教科書」
実習中、緊張で頭が真っ白になるのは当たり前です。私も学生時代、血圧の正常値すらド忘れして泣きそうになったことがあります。だからこそ、「忘れてもいい環境」を自分で作っておくんです。メモ帳の数ページを割いて、以下の「カンペ」を貼っておくか、ポケットサイズの「ポケットマニュアル」を一冊忍ばせておきましょう。
- 意識レベル(JCS/GCS): 状態変化の報告で「なんかおかしいです」はNG。「JCS 1-3です」と言えるだけで、指導者の信頼を勝ち取れます。
- 点滴滴下計算表: 「20滴/mlで、500mlを6時間で…」と、現場でパニックになって計算ミスをしたら大事故です。あらかじめ表にしておき、指差し確認できるようにしましょう。
- 主要データの基準値: WBC、Hb、CRP、Na、K、Cre…。これらがポケットにあるだけで、カルテを見る時のスピードが劇的に変わります。
先輩ナースも全員持っている!白衣に入る最強ポケットマニュアル
自分でメモを作る時間がない学生さんは、市販の「看護実習ポケットマニュアル」をポケットに入れておくのが一番手っ取り早くて確実です。検査値やJCS、アセスメントの視点が手のひらサイズに凝縮されているため、トイレの個室でこっそり確認してお守り代わりに使けます。
【隠れた必需品】女子学生・男子学生それぞれの「自分を守る」準備
学校ではあまり教えてくれないけれど、実習を完走するために欠かせないアイテムの話をします。
1.替えのストッキングと「多すぎる」生理用品
実習中、ナース服を汚してしまうことほど精神的にダメージが大きいことはありません。替えのストッキングは常に1つ。生理用品は「夜用」を賢く使い、自分の体調に振り回されない準備をしましょう。
2.水分補給と「脳の栄養」
実習中の昼休みは短いです。記録が終わらなくて飯抜き…なんて学生もいますが、それは間違いです。ゼリー飲料や、一口で食べられるチョコを忍ばせてください。低血糖でフラフラな学生に、良い看護はできませんからね。
まとめ:準備とは、患者さんへの「敬意」の形
準備を完璧に整えることは、不安を消すためだけではありません。それは、明日出会う患者さんに対して「私はあなたを大切に思っています」という敬意を形にすることなんです。
道具を揃え、身だしなみを整え、知識をポケットに忍ばせる。その一つ一つの動作が、あなたを「学生」から「看護師」へと変えていきます。
- 前日の20時までに準備を終え、深呼吸して早く寝る(睡眠も準備の一つです)
- 「これだけ準備したから大丈夫」と鏡の自分に言い聞かせる
- 迷ったら「これは患者さんの安全に繋がるか?」で判断する
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