看護実習の事前学習で、「何をすればいいのかわからない」「調べてもまとまらない」と悩んでいませんか。
実習前は不安も大きく、教科書や資料を開いても、どこから手をつければいいのか迷いやすいですよね。真面目な人ほど、全部やらなければいけない気がして、余計につらくなってしまうことがあります。
外から帰ってきてMacBookを開いても、情報の海に溺れてしまう気持ちは本当によくわかります。でも、学生として実習を経験し、その後は看護師として15年勤務し、看護師長も経験し、現在は看護教員として15年にわたり多くの学生指導に関わる中で感じているのは、事前学習は量よりも「実習で使える形になっているか」が大切だということです。
看護実習の事前学習で最初に知っておきたい結論
結論から言うと、事前学習は全部やる必要はありません。
大切なのは、次の3つです。
事前学習の結論
この3つが押さえられていれば、実習のスタートとしては十分です。反対に、教科書を最初から最後まで読おうとしたり、ノートを完璧に作ろうとしたりすると、時間ばかりかかってしまい、肝心の実習で使える準備になりにくくなります。
まずは「全部やらないといけない」という思い込みを外すことが、事前学習の第一慢歩です。
なぜ看護実習の事前学習で悩みやすいのか
事前学習で悩む学生が多いのには、はっきりと理由があります。
やることが多すぎる
実習では、疾患の理解だけでなく、治療、検査、薬、観察、看護技術、患者背景など、見なければいけないことが多くなります。最初のうちは、その情報量だけで圧倒されやすいです。
正解が分かりにくい
「どこまでやればいいのか」「この調べ方で合っているのか」が見えないと、手が止まりやすくなります。特に実習経験が少ないうちは、自分の学習の深さに自信が持ちにくいです。
完璧を目指してしまう
真面目な人ほど、「ちゃんとやらないといけない」と思いがちです。その気持ちは大切ですが、実習前の限られた時間で完璧を目指すと、かえって非効率になります。
だからこそ、事前学習では「全部を理解する」ではなく、「実習で動きやすくする準備をする」と考えることが大切です。
看護実習の事前学習で何をすればいいのか迷ったときの考え方

事前学習でいちばん多い悩みが、「何をすればいいのかわからない」ということです。
事前学習で何をやればいいのか迷ったら、まずはこの3つに絞ってください。
1.疾患の基本を理解する
まずは、受け持ち患者さんの主な疾患がどのような病気なのかを確認します。Hereで大事なのは、定義を丸暗記することではありません。
・どんな症状が出やすいか
・どんな治療が行われることが多いか
・患者さんの生活にどんな影響が出やすいか
このあたりがイメージできれば十分です。
2.観察ポイントを整理する
疾患を調べたら、次は「何を見るか」に変えていきます。ここが実習でいちばん大事なところです。
たとえば「呼吸状態を観察する」とだけ覚えるのではなく、
・呼吸数はどうか
・呼吸のリズムは乱れていないか
・SpO2はどうか
・息苦しさの訴えはあるか
このように、具体的な行動に落とし込めると実習中に迷いにくくなります。
3.必要な看護技術を確認する
受け持ち患者さんに関わりそうな技術があれば、手順と注意点を軽く見直しておきます。バイタルサイン測定、清潔ケア、移動介助、食事介助など、よく使う基本技術を中心に確認できれば十分です。
事前学習の具体的な進め方【完全手順】
ここでは、実際に私がおすすめしたい進め方を順番に紹介します。毎回この流れで進めると、事前学習がかなり安定します。
① Patient情報を確認する
最初に見るのは、受け持ち患者さんの情報です。病名だけではなく、年齢、入院理由、既往歴、治療内容、ADL、生活背景なども確認します。
特に意識したいのは、「今、この患者さんは何に困っていそうか」です。ここが見えると、事前学習の方向が定まりやすくなります。
② 疾患の概要を整理する
患者情報を見たら、その疾患について簡単に整理します。ここでは広く深くより、今の患者さんに関係しそうなところを優先して見ていきます。
たとえば肺炎なら、発熱、咳、痰、呼吸状態、食欲低下、活動量低下など、患者さんの実際の状態につながりそうな部分を中心に見ていくと、実習で活かしやすくなります。
③ 観察ポイントをまとめる
疾患を見たら、「この患者さんではどこを見たいか」を具体的に書き出します。抽象的な言葉のままだと実習で動きにくいので、できるだけ細かくしておくのがポイントです。
たとえば、食事摂取量低下が気になる患者さんなら、
・食事量はどのくらいか
・途中で疲れていないか
・咀嚼や嚥下に問題はないか
・食欲低下の訴えはあるか
といった形で整理しておくと、そのまま観察行動につながります。
④ 看護技術を確認する
必要な技術がありそうなら、手順だけでなく注意点も確認します。たとえば清潔ケアなら、安楽や羞恥心への配慮、安全面、体調変化への気づきなども大切です。
⑤ メモは“使える形”で残す
ノートをきれいに作り込む必要はありません。あとで見返して、すぐ使える形なら十分です。
・疾患のポイント
・観察ポイント
・気になること
・確認したい技術
この4つが見やすくまとまっていれば、実習でかなり役立ちます。iPadなどの電子ノートを愛用しているなら、キーワード検索できるように文字起こししておくのも一つの知恵です。
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真面目な学生さんほど、教科書の内容を1から10まで丸写しして実習本番の前に徹夜で燃え尽きてしまいがちです。教員がノートチェックで本当に見ているのは「病態と看護の繋がりを理解しているか」だけ。要点をイラスト付きでカンペのようにサクッと要約できる定番テキストを机に置いて、賢く睡眠時間を確保しなさい。
■ アセスメントに使える 疾患と看護の知識
プチナースBOOKSの大ベストセラー。実習でよく出合う主要な疾患の「病態機序(なぜその症状が出るか)」と「連動する観察・ケアの根拠」が、そのままノートの手本になるレイアウトで綺麗に凝縮されています。これを開きながら枠組みを作るだけで、教員室で「よく調べられているね」と一発合格をもらえるノートが驚くほど短時間で完成しますよ。
やらなくていい事前学習
ここは、とても大事です。事前学習で頑張りすぎる学生ほど、「やらなくていいこと」を知っておく必要があります。
次のような学習は、実習前には優先度が低いことが多いです。
・教科書を最初から最後まで読む
・疾患の細かい分類まで深く覚える
・ノートを完璧にきれいに作る
・薬の名前を大量に丸暗記する
・全部の看護技術を一気に復習する
もちろん、余裕があれば悪いことではありません。ただ、毎回これをやろうとすると、時間も気力も足りなくなります。
事前学習でよくある失敗と改善方法
失敗① やりすぎる
全部理解しようとして時間が足りなくなるパターンです。真面目な学生ほど陥りやすいです。
改善:基本3つに絞る。まずは「疾患・観察・技術」だけでも十分です。
失敗② 何も分からないまま読み進める
難しい言葉が続いても、そのまま読み流してしまうと頭に残りにくいです。
改善:分からないところは一度立ち止まり、「この患者さんに関係しそうか」を基準に整理します。
失敗③ アウトプットしない
読むだけで終わると、実習で使いにくいです。
改善:観察ポイントを書く、明日見ることをメモする、自分なりに一文でまとめる、といった形で外に出します。
失敗④ ノート作りが目的になる
きれいに作ることに集中しすぎると、学習の中身が薄くなりやすいです。
改善:提出物ではなく、自分のための実習メモだと考えると、必要な情報に絞りやすくなります。
事前学習を実習や記録に活かすコツ
事前学習は、実習前だけに役立つものではありません。実習中の観察や記録、カンファレンスにもつながっていきます。
たとえば、事前学習で観察ポイントを整理しておくと、実習中に「何を見ればいいのか」が明確になります。すると、見たことに意味づけをしやすくなり、記録やアセスメントも進めやすくなります。
逆に、事前学習が浅いと、見たことを書けても「なぜそれが大事なのか」で止まりやすくなります。
「考えがまとまらない」と感じる人は、アセスメントの考え方もあわせて整理すると、実習全体がかなり楽になります。
また、カンファレンスで自分の意見を言うときも、事前学習の段階で「この患者さんで気になること」を考えておくと話しやすくなります。カンファレンスが苦手な人は、看護実習のカンファレンスの話し方も参考にしてみてください。
実習前日の過ごし方と、不安が残るときの考え方

実習前日は、どうしても焦りや不安が強くなりやすいです。「まだ足りない気がする」「もう少し調べておきたい」と思うのは自然なことです。
ただ、前日に詰め込みすぎると、睡眠不足や頭の疲れで、当日の集中力が落ちやすくなります。前日は新しいことを増やすより、整理して絞る日にした方がうまくいきます。
おすすめは、次の4つだけ確認することです。
・観察したいポイントを3つ決める
・気になることを1つ書く
・必要な技術を軽く確認する
・持ち物やスケジュールを整える
これだけでも十分意味があります。
指示、事前学習をしても不安が残るのは普通です。不安があるからといって、準備が足りていないとは限りません。むしろ、真論に向き合っている人ほど不安になりやすいです。
実習そのものへの不安が強い人は、看護実習の初日の流れと対策もあわせて読んでおくと、気持ちが少し整理しやすくなります。
看護実習の事前学習まとめ

この記事のまとめ
- 事前学習は完璧にやる必要はない
- 「疾患・観察・技術」の3つを押さえれば十分
- 大切なのは、覚えることより実習で使える形にすること
- 観察ポイントを具体的にすると、実習で動きやすくなる
- 不安が残るのは自然なので、前日に全部やろうとしなくていい
まずは「全部やらなくていい」と考えて、明日使う分だけ整理することから始めてみてください。それだけでも、実習の見え方はかなり変わります。
正直、事前学習は大変です。でも、やり方を少し変えるだけでかなり楽になります。
迷ったときは、「疾患・観察・看護」の3つだけに絞れば大丈夫です。
よくある質問(FAQ)
どこまでやればいいですか?
まずは、疾患の基本、観察ポイント、必要な看護技術が整理できていれば十分です。最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
時間が足りません。
時間がないときは、患者さんの主疾患、観察したいこと3つ、必要そうな技術1つに絞ってください。全部やろうとしない方が、実習ではかえって動きやすいです。
全部覚える必要はありますか?
ありません。実習では丸暗記より、「なぜそうなるのか」「何を見ればいいのか」を考えられることの方が大切です。
ノートはきれいに作らないとダメですか?
きれいさより、見返して使えることが大切です。短くても、自分が実習で動ける形になっていれば十分です。
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