「2年目になって受け持ち患者が増え、事故を起こさないか恐怖でいっぱい…」
「布団に入っても『今日の処置、本当に大丈夫だったかな』と確認したくなり眠れない…」
「先輩に『前に教えたよね?』と言われるのが怖くて、ダブルチェックを頼めない…」
プリセプターが外れた2年目は、自分の判断で動く場面が一気に増え、インシデントへの恐怖がピークに達する時期です。
結論から言うと、インシデントの恐怖を消すために必要なのは「気合い」や「注意深さ」ではなく、「記録の型」と「確認の仕組み化」です。
この記事では、元師長のhiroが「不安で眠れない夜を無くすための『事実の記録術』」と、「恐怖を持ち越さないセルフケア」を具体的に解説します!
インシデントの恐怖だけでなく、病棟全体で放置される環境に限界を感じている方は、こちらの『2年目の逃げ道』もあわせてお読みください。
👉 【放置・重圧】看護師2年目で辞めたいは甘え?元師長が教える逃げ道
1. なぜ2年目は「インシデントが怖くて眠れない」のか?

「1年目より仕事に慣れたはずなのに、なぜか今の方が恐怖が大きい…」と感じるのは当然のことです。2年目特有の心理的メカニズムを知っておきましょう。
① 「一人立ち」による責任の急増
1年目はプリセプターが常に横でダブルチェックをしてくれましたが、2年目は「自分で考えて実施する」ことが基本になります。「何かあったら全責任が自分にかかってくる」という重圧が、脳を常に緊張状態にさせているのです。
② 「知っているからこそ見えるリスク」が増えた
1年目の頃は「何が危険かも分からない」状態でしたが、2年目になると病態や薬剤の知識がついた分、「この点滴が落ちすぎたら心不全を起こす」「この指示変更を見落としたら急変する」というリスクが具体的にイメージできるようになります。知識が増えたからこそ怖くなるのは、順調に成長している証拠です。
③ 「確認したいけれど話しかけづらい」環境の罠
先輩たちから「もう2年目なんだから自分でやって」というオーラを出されると、「こんな初歩的な確認を頼んだら怒られるかも…」と躊躇してしまい、結果として一人で不安を抱え込む悪循環に陥ります。
2. 不安で眠れない夜を無くす!元師長直伝『事実の記録術』

家に帰ってから「あの処置やったかな…」と不安になる最大の原因は、勤務中の確認が「曖昧な記憶」のまま終わっているからです。
記憶に頼らず、「事実の記録」で脳を安心させましょう。
① ポケットノートには「感情」を排除し「事実(数字とチェック)」だけ書く
メモを取る際は、「点滴OK」「指示確認した」などの曖昧な言葉ではなく、「時間・数値・対象」をセットでチェックします。
- ❌ 悪いメモ:「〇〇さん 点滴更新した」
- ⭕ 良いメモ:「14:00 〇〇様 メイン点滴500ml 滴下数20滴/分 ダブルチェック済 [✓]」
このように「実施した事実」をその場でノートにチェック[✓]をつける習慣を作ると、帰宅後に不安になった時も「ノートにチェックがついているから絶対大丈夫」と自分を客観的に納得させることができます。
② 看護記録は「SOAP」の「O(客観的データ)」を徹底的に強化する
インシデントや訴訟からあなたを物理的に守ってくれる唯一の防具が「看護記録」です。
「患者は落ち着いている様子」といった主観(A)ではなく、「バイタルサイン、発言のそのままの要約、点滴の残りミリ数」などの客観的データ(O)を詳細に残すことで、万が一何かあった時も「私は正しく観察・記録していた」と証明できます。
\ 勤務中の「うっかり忘れ」を物理的にゼロにする必須アイテム /
胸ポケットにすっぽり収まり、チェックリストを一覧できる看護師専用の折りたたみバインダーです。メモの散らかりを防ぎ、確認作業を劇的にスムーズにします。
3. 「ミスを起こさない」ための確認の仕組み化と自力リセット術

① 「自分はミスをする前提」でダブルチェックの仕組みを作る
人間の集中力には限界があります。「注意する」という精神論ではなく、指差し呼称(指称確認)や「施行前・施行中・施行後」の3段階チェックをルーティン化しましょう。
先輩へのダブルチェック依頼も、「すみません、念のため患者さんの安全のために一緒に見てもらえますか?」と【患者の安全のため】という理由をつけると、嫌な顔をされずに巻き込むことができます。
② 退勤時に「申し送りノート」を開き、頭の中を空っぽにして帰る
病院を出る直前の1分間、自分のメモ帳を開き、「今日の受け持ち全員の指示・処置にチェックがついているか」を一通り眺めます。全てにチェックがついているのを目で確認したら、「今日の業務は完了!」と声に出してノートを閉じましょう。
これが脳に対する強烈な「終了スイッチ」になります。
③ 自律神経を整え、恐怖で強張った身体をほぐすセルフケア
インシデントの恐怖で緊張状態が続くと、交感神経が優位になり睡眠の質が著しく低下します。身体を物理的に温めて副交感神経を優位にし、ぐっすり眠る環境を作りましょう。
\ 緊張でガチガチになった首・肩を温めほぐす /
\ 不安で眠れない夜、泥のような深い睡眠へ /
4. 【FAQ】インシデントの恐怖に関するよくある質問
Q1. インシデントを起こしてしまい、先輩から激しく怒られて立ち直れません…
A. 本当につらかったですね。しかし、インシデントは「個人の能力」ではなく「システムの不備」によって起きるものです。あなた一人を責める指導は間違っています。「事故を未然に防ぐ改善策(仕組み)」に目を向け、落ち込む自分を責めないでくださいね。
Q2. 家に帰ってからどうしても確認漏れが気になり、病院に電話したくなります…
A. どうしても不安でパニックになる場合は、確認の電話を入れても大丈夫です。ただし、毎回電話してしまう習慣がついているなら、「退勤前の1分チェックルーティン」を徹底し、「ノートにチェックがあるから大丈夫」と言い聞かせて画面やメモを写真に残して確認する癖をつけましょう。
Q3. インシデントが怖すぎて、もう看護師を続けられる気がしません。
A. そこまで追い詰められているのは、現在の病棟の「業務量」や「フォロー体制(放置状態)」に問題がある可能性が高いです。看護師の仕事自体を嫌いになる前に、急変の少ないクリニックや訪問看護など、落ち着いて働ける環境への転職を検討することも立派な防衛策です。
5. まとめ:恐怖を感じるのは成長の証!一人で抱え込まないで
インシデント恐怖症を克服するための重要ポイントおさらいです。
- 2年目の恐怖は「知識がついた成長の証」。自分を責めない。
- ポケットノートには「感情」を排除し「事実・数値・チェック[✓]」を残す。
- 退勤時の「ノートチェック」で仕事のスイッチを強制的にOFFにする。
- もし環境自体が過酷で限界なら、安全な別の職場へ避難する選択肢を持つ。
あなたの真面目さと優しさは、適切な環境さえ整えば最高の強みになります。一人で恐怖を抱え込まず、できることから一つずつ試していきましょう!