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関連図の書き方がわからない看護学生へ|5ステップで“止まらず書ける”コツを実習目線で解説

1月 22, 2026

看護実習で関連図が書けない学生向けにロジカルな書き方を解説したアイキャッチ画像。病態・生活・看護をつなぐ3ステップで手が止まる悩みを解決

【元看護教員×元看護師長×キャリコンが徹底解説】

看護実習の記録で、学生さんが最も涙を流すのが「関連図」です。「書き方はわかった。でも自分の患者さんの図が書けない」という絶望を、私は15年間見てきました。この記事では、私が教え子たちに伝えてきた『白紙を埋めるための思考の全工程』を、圧倒的なボリュームで解説します。※本記事は1ページ完結です。

「関連図を書き始めたら、いつの間にか窓の外が明るくなっていた…」
「教員に『この矢印、根拠がないわね』と言われて、すべてが否定された気分になった」

そんな経験はありませんか。関連図は、単なる疾患のまとめではありません。目の前の患者さんの「人生」と、あなたが学んだ「医学」を一本の線で繋ぐ作業です。その難しさは、現役の看護師でも苦労するほどです。

手が止まるのは、あなたが患者さんのことを一生懸命考えている証拠。でも、実は関連図には『絶対に失敗しないテンプレート(型)』があるんです。教員として1,000枚以上の関連図を採点してきた私と一緒に、その型をマスターしましょう。
ゼフ教員(元看護師長)
ゼフ教員(元看護師長)

第1章:【教員の告白】なぜあなたの関連図は「再提出」になるのか?

教員が関連図を受け取ったとき、じつは「読む前」に評価は決まっています。評価が低い関連図には、共通する3つの特徴があるからです。

① 矢印が「なんとなく」で繋がっている(解像度の不足)

教員が最も厳しくチェックするのは、矢印の「根拠」です。多くの学生さんがやりがちなNG例を見てみましょう。

【NG例】 [心不全] ――> [浮腫]

これでは不十分です。この矢印の間に『なぜ浮腫むのか』という病態生理が抜けていると、「アセスメント不足」とみなされます。合格点は以下の通りです。

【A評価例】 [心不全(心ポンプ機能低下)] ――> [腎血流量の減少] ――> [レニン・アンジオテンシン系活性化] ――> [水・ナトリウム貯留] ――> [浮腫]

このように細かく分解することで、初めて「どこにケアが必要か」が見えてくるのです。

② 「生活」が見えてこない

疾患関連図(病気の仕組み)を完璧に写してくる学生さんは多いですが、それは看護の関連図ではありません。看護師が知りたいのは、その病気が「患者さんの今日一日の生活」をどう変えてしまったかです。食事が摂れない、トイレに行けない、眠れない。こうした生活の言葉がない図は、教員にとって価値がありません。

③ 矢印の向きが「一方通行」すぎる

体調が悪いから気持ちが沈む。気持ちが沈むからリハビリが進まず、体力が落ちる。こうした「相乗効果」や「悪循環」が書けていない図は、表面的な観察で終わっていると判断されます。


第2章:絶対に手が止まらない「3段ロケット構築法」

では、具体的にどう書けばいいのか。私は学生に「3つの層を積み上げなさい」と指導してきました。

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【第1層】病態・治療(からだの科学)

中心となる疾患から出発。解剖生理の本を活用し、「疾患名」→「病態生理」→「現れている症状」までを繋ぎます。点滴や安静制限などの「治療介入」もここに入れます。

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【第2層】生活・心理(くらしのリアル)

第1層の症状が、患者さんの生活をどう制限しているか。 「呼吸が苦しい」→「歩行時に息が切れる」→「トイレまで歩くのが不安」→「失禁への恐怖」と、感情まで繋げます。

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【第3層】看護介入(あなたの役割)

第2層の「生活の支障」を解決するために、今日あなたが行う具体的アプローチを書きます。 「トイレへの不安」→「ポータブルトイレ設置」「定期的な声かけ」


第3章:評価がAに跳ね上がる「個別性」を出す3つの魔法

教員がよく言う「個別性を入れなさい」の正体を、具体的に教えます。

① 矢印の横に「S情報(生の声)」を添える

これが最強のテクニックです。矢印の上に、患者さんの言葉を添えるだけで図が「生きて」きます。

書き込み例: 【歩行への不安】 ――( 「また転んだら迷惑かけるし…」 )――> 【意欲の低下】

② 「負のループ(悪循環)」を可視化する

特に高齢者や終末期で有効なのが、この「悪循環」を見つけることです。

ポイント

廃用症候群のループ例:

【痛み】 ――> 【動きたくない】 ――> 【筋力低下】 ――> 【さらに歩行困難】 ――> 【転倒恐怖】 ――> (最初に戻る)

このループを青いペンで囲み、どこを「看護」で断ち切るかを赤い矢印で書き込みましょう。これができれば、指導者さんは唸ります。
ゼフ教員(元看護師長)
ゼフ教員(元看護師長)

③ ストレングス(強み)を点線で繋ぐ

問題点ばかり書くと、図が真っ黒になります。「家族の支えがある」「本人の意欲が高い」などの強みを書き込み、それによって問題がどう緩和されるかを点線で引くと、評価は爆上がりします。


第4章:【領域別】関連図の「攻略ポイント」の違い

実習先によって、教員がどこを重視しているかは異なります。領域別の「ツボ」を押さえましょう。

領域別アドバイス

  • 精神看護: 疾患よりも「生活史」や「環境変化」に注目。矢印は「幻覚」からではなく、「孤独感」や「入院による環境ストレス」からスタートさせると評価が高い。
  • 老年看護: 「疾患」と「加齢変化(老化)」を区別すること。「高齢だからできない」で片付けず、視力、筋力、認知機能のどれが影響しているかを分解して書く。
  • 母性看護: 「疾患」ではなく「ウェルネス」の視点。正常な経過(産褥期の復古)の中で、何がリスク(疲労や不安)になっているかを繋ぐ。

第5章:【実況中継】手が止まった時の「自分への問いかけ」リスト

思考がフリーズしてしまったら、この3つの問いを自分に投げかけてください。

ポイント

  1. 「なぜなら?」を3回繰り返したか?
    「眠れない」→なぜ?「夜間に何度も目が覚める」→なぜ?「利尿剤の影響」…ここまで掘れば矢印は止まりません。
  2. 「その人らしさ」は矢印のどこにあるか?
    「清拭」ひとつとっても、「さっぱりしたい人」と「疲れやすくて負担な人」では矢印の向きが逆になります。
  3. 「もし、この看護をしなかったら?」という逆説。
    看護介入の矢印を引くとき、「これをしなかったら、どの悪循環に繋がるか」を想像すると、ケアの根拠が明確になります。

第6章:【元師長の視点】教員が関連図を「再提出」させる本当の理由

教員はあなたを苦しめるために再提出させているのではありません。関連図が繋がっていない状態でケアに行くのが「怖い」からです。

私が教員時代、ある学生が「心不全」の関連図に「塩分制限」の矢印を引かずに実習に来ました。もしそのまま実習を続けたら、患者さんは悪化していたかもしれません。関連図は、あなたを事故から守り、患者さんを守るための「安全装置」なんです。


まとめ:関連図は「間違い」を恐れなくていい

15年間の教員生活で、私が学生さんに最後にかけていた言葉は「関連図は未完成でいい」という言葉でした。関連図は、あなたが患者さんを深く理解しようともがいた『思考のプロセス』そのものです。

矢印が1本繋がるたびに、あなたは患者さんに一歩近づいています。自信を持って、今見えているものから書き始めてくださいね。応援しています!
ゼフ教員(元看護師長)
ゼフ教員(元看護師長)

よくある質問(FAQ)

Q. 関連図の矢印が重なって見にくくなります。
A. 矢印を直線ではなく「曲線」で描いたり、情報の種類(病態、生活、看護)ごとに色を使い分けるのがコツです。美しさよりも「論理的な繋がり」が優先ですよ。

Q. 認知症の関連図はどう書けばいいですか?
A. 認知機能低下(中核症状)を左に置き、それによって生じる不安や行動の変化(BPSD)を右に、さらにそれを助長する環境因子を下から繋げる『サンドイッチ形式』で書くと整理しやすいです。

Q. 教員に「根拠は何?」と言われたら?
A. 「病態生理学の〇〇ページに基づき、右心不全による静脈圧上昇が原因と考えました」と、具体的な出典を添えて答えましょう。それが「根拠がある」ということです。

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